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外科・消化器外科

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横浜南共済病院で 手術などの外科的治療を受けられる患者様へ

概要

外科・消化器外科部長
佐伯博行

当院は2012年にがん診療連携指定病院に指定されており、消化器外科としても増加する悪性疾患に対する治療に力を入れております。また、三次救急施設として、急性虫垂炎、消化管穿孔、腹膜炎、腹部外傷などの腹部救急疾患の治療や、胆石、鼠径ヘルニア等の良性疾患の治療も多く行っています。2019年の手術件数754件のうち、悪性腫瘍の切除術は216件、腹部救急疾患に対する緊急手術は177件でした。
診療の基本方針は、EBM(Evidence-Based Medicine)に基づき、ガイドラインなどを参考として、十分なインフォームドコンセントのもとに、一人一人の患者さまごとの異なる状況を考慮して診療をすることを第一としています。最新の情報、診療技術の修得のための自己研鑽を怠らず、医師、看護師、薬剤師、検査技師、栄養士、リハビリテーションスタッフ、事務職員といったコメディカルとのチームワークを大事にして、患者さまの権利を尊重し、安全に配慮した質の高い診療を心がけています。

外来受診から手術までの流れ

当科では月曜日から金曜日まで毎日新患紹介を受け付けています。外来担当医が手術方針を決定し入院予約を行います。入院予約が決定したすべての症例はカンファランスで診断、治療方針、手術術式を検討します。カンファランスで手術術式が決定した後に手術担当医と手術日程を決定します。したがって外来担当医と手術担当医は異なる場合があります。入院日、手術日程は電話で患者様にご連絡いたします。入院後に手術担当医が詳細な手術術式を説明いたします。

安全で体への負担の少ない手術に対する取り組み

より安全で体への負担の少ない手術を行うことで術後の回復は早くなり、術後在院日数は短くなります。そのために当科では腹腔鏡手術の導入、クリニカルパスの導入、SSI(手術部位感染症)の予防、ERASプロトコールの採用など多くのことに取り組んできました。その結果大腸癌の術後在院日数(中央値)は2006年の15日から2016年には9日へ短縮されました。

鏡視下手術

当科では、安全性や根治性を保ちつつ、低侵襲な腹腔鏡手術・胸腔鏡手術を積極的に行っています。虫垂炎、胆石、鼠径ヘルニアなどの良性疾患から食道、胃、大腸、肝臓、膵臓の悪性疾患まで多くの術式に鏡視下手術を導入しています。2019年の体表を除く手術679件のうち、鏡視下手術は301件(44%)でした。鏡視下手術の利点は、キズが小さく、痛みが少なく、術後の回復が早いとされる他にも、腸の癒着が少ない、術後の腸の動きの回復が早い、出血が少ない、カメラで拡大するため細かい組織がよく見える、など多くの利点があります。鏡視下手術は高度な技術を要するため熟練した外科医が必要となります。また開腹手術より外科医の人数が多く必要で、手術時間も長くかかります。したがって夜間の緊急手術などでは鏡視下手術が行えない場合があります。そのため当院のように救急患者さんを多く扱っている病院では鏡視下手術の割合が少なくなる傾向があります。また、開腹手術を受けたことのある患者さんや、進行癌の患者さんは鏡視下手術が困難な場合があります。鏡視下手術の利点、欠点を考慮して手術方法を決定していますが、患者さんの希望で鏡視下手術か開腹手術を選択することも可能です。

2019年の主な腹腔鏡手術症例(手術症例に占める割合:%)は以下の通りです。

・胃癌:21例(41%) ・大腸癌:75例(61%) ・肝癌:5例(42%) ・膵癌:5例(36%) ・胆石症:92例(74%) ・鼠径ヘルニア:46例(32%) ・虫垂炎:38例(55%)

ダヴィンチ(ロボット支援手術)

2021年11月から直腸癌に対するロボット支援下直腸切除術を開始いたしました。
症例に応じて開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術を行っています。

ERASプロトコールに基づいた周術期管理

ERAS(Enhanced Recovery After Surgery)プロトコールとは、結腸癌手術の周術期管理において、エビデンスに基づいた管理を行うことで、従来の慣習的に行われていた管理よりも早い術後回復を実現するためのプロトコールです。2005年にヨーロッパ静脈経腸栄養学会(ESPEN)を中心としたグループが提唱しました。現在では結腸癌手術以外の多く手術にもERASプロトコールが導入されています。当科でも結腸癌以外の多くの術式にERASプロトコールを導入しています。
ERASプロトコールには、術前の絶飲食の廃止、術前経口補水の施行と術前点滴の廃止、術前の腸管前処置(下剤の投与など)の廃止、術直後の胃菅抜去、術後早期の経口摂取の再開、ドレーンの早期抜去などが含まれ、患者さんの負担や苦痛が軽減されます。

当科で扱う主な疾患

食道癌

StageⅠ~Ⅲの食道癌については標準的なリンパ節郭清を伴う切除・再建術を行います。胸部食道癌の手術は従来、開腹・開胸を伴う侵襲の大きな手術でしたが、胸部操作に胸腔鏡を取り入れることによって、胸部の傷を小さくし、患者さんの負担を低減しております。StageⅡ、Ⅲの患者さんには手術前に化学療法を行うのが標準治療となっています。高齢者や手術が行えない患者さんには放射線科と提携して化学放射線治療や放射線療法を行います。

胃癌

StageⅠ~Ⅲの胃癌ではリンパ節郭清を伴う切除・再建術を行います。StageⅠの症例には腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)や腹腔鏡補助下胃全摘術(LATG)を行っています。GISTに対しては内視鏡と腹腔鏡のコラボレーションによる縮小手術(LECS)を行っています。また、進行癌に対しては、術前・術後の抗がん剤治療(化学療法)を含めた集学的な治療を行っています。

大腸癌(結腸癌、直腸癌)

StageⅠ~Ⅲの大腸癌では切除可能であれば、リンパ節郭清を伴う切除が第一選択となります。肝転移、肺転移のあるStageⅣの症例でも切除可能であれば積極的に切除を行っています。切除困難な症例でも化学療法で腫瘍が縮小し切除可能となる場合もあります。膀胱に広範囲に浸潤していて膀胱を温存できない症例でも、化学療法を行い腫瘍が縮小すれば膀胱機能を温存して切除できることがあります。 直腸癌では放射線科との連携により術前または術後に化学放射線治療を加える場合もあります。
早期癌の多くは腹腔鏡手術が可能です。進行癌においても腹腔鏡手術の割合は増加しています。下部直腸癌では、以前は肛門機能の温存が困難で、人工肛門となっていた症例でも、腹腔鏡手術の導入により肛門機能が温存できるようになりました。腸閉塞の症例でもステント治療で腸閉塞を改善させることで腹腔鏡手術が可能となる場合があります。

肝癌、胆道癌、膵癌

切除可能な肝臓・胆道・膵臓の癌において、最も有効な治療法は手術です。
肝癌・胆道癌においては肝機能と画像所見から切除可能な肝容量を計算し、計画的な肝切除を行っています。肝部分切除、肝外側区域切除に対しては腹腔鏡手術を行っています。
膵癌は手術の適応となる割合が少ない病気ですが、画像診断の進歩により切除可能な段階で見つかることも増えてきています。診断が困難な小さな腫瘍に対しては超音波内視鏡下に生検を行い(EUS-FNA)、早期に診断をつけて手術を行っています。
門脈などに浸潤し切除困難な進行膵癌に対しては術前化学療法を行い、根治切除が可能になる場合もあります。
膵体部癌、膵尾部癌に対しては腹腔鏡切除を行っています。

ヘルニア(鼠径ヘルニア、腹壁ヘルニアなど)

鼠径ヘルニアの手術は従来から行っている前方法と腹腔鏡を用いるTAPP法を行っています。前方法は5~6cmの皮膚切開で腹壁をメッシュで補強する方法です。TAPP法は腹腔鏡を用いて腹腔内から腹壁をメッシュで補強する手術です。
小児の鼠径ヘルニアに対しては従来からのPotts法と腹腔鏡を用いたLPEC法を行っています。

胆嚢結石

胆嚢内の結石が原因で、腹痛などの症状や炎症を引き起こすものでは手術がすすめられます。胆嚢摘出術は、胆嚢炎などの炎症の有無で難易度が大きく変わってくる手術です。胆嚢摘出の標準は腹腔鏡手術であり、当院でも可能な症例は極力腹腔鏡手術を行うようにしていますが、炎症が強い場合は開腹手術になることがあります。

急性期疾患(腹膜炎など)

虫垂炎、胆嚢炎などについては手術適応をよく検討し、必要があれば速やかに緊急手術を行うようにしています。胃や腸に穴が開く消化管穿孔で腹膜炎を起こしている症例や外傷による出血などの症例では、急激に体の状態が悪化し命に関わることも多いため、早急な診断・迅速な手術を行い、術後は集中治療室において厳重な術後管理を行っています。

化学療法

当科では食道癌、胃癌、大腸癌、胆道癌、膵癌、消化管間質腫瘍(GIST)などに対して抗がん剤による化学療法を行っています。化学療法には、切除に向けての術前化学療法、術後の再発を減らすための術後補助化学療法、切除不能・再発に対する化学療法があります。抗がん剤には内服薬と点滴があります。点滴治療も多くは通院で受けることが可能です。点滴治療は専任の薬剤師、看護師などのスタッフをそろえた外来化学療法センターで行っています。オプジーボなどの最新の化学療法も経験豊富なスタッフにより安心して受けることができます。

地域連携パスによる術後フォロー

胃癌、大腸癌で手術を行った患者さんの術後フォローを、クリティカルパスを用いて連携医療機関と協力して行っています。パスの診療計画表に沿って、定期的な診察や採血などの検査、処方をかかりつけの医療機関にお願いし、再発のチェック(CTなど)は当院で行いお互いに情報を共有しています。再発や合併症の発生時には当院で迅速に対応いたします。StageⅠの胃癌、StageⅠ、Ⅱの大腸癌で術後補助化学療法のない患者さんに導入されています。

学会施設認定

日本外科学会外科専門医制度修練施設
日本消化器外科学会専門医修練施設
日本大腸肛門病学会認定施設

実績

氏名 松川 博史
役職 病院長特別顧問
専門 一般外科
医師資格 日本外科学会認定医・専門医
所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本臨床外科学会
日本癌治療学会
日本乳癌学会
日本呼吸器外科学会
日本呼吸器病学会
日本乳癌検診学会
日本胃癌学会
氏名 佐伯 博行
役職 外科部長
専門 消化器外科
医師資格 日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
難病指定医
所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本癌治療学会
日本消化器内視鏡学会
日本胃癌学会
日本外科系連合学会
日本臨床外科学会
日本腹部救急医学会
日本内視鏡外科学会
大腸癌研究会
氏名 樋口 晃生
役職 部長
医師資格 日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
消化器がん外科治療認定医
がん治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸)
大腸肛門病専門医
所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本乳癌学会
日本癌治療学会
日本内視鏡外科学会
日本大腸肛門病学会
日本臨床外科学会
日本ロボット外科学会
氏名 川邉 泰一
役職 医長
医師資格 日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
所属学会 日本外科学会
日本癌治療学会
日本消化器外科学会
日本消化器病学会
日本静脈経腸栄養学会
日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会
日本胃癌学会
日本食道学会
氏名 加藤 綾
役職 医長
専門 消化器外科
医師資格 日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会
氏名 中園 真聡
役職 医長
医師資格 日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本癌治療学会
日本胃癌学会
日本臨床外科学会
日本腹部救急医学会
日本内視鏡外科学会
日本消化器病学会
日本消化管学会
日本食道学会
日本大腸肛門病学会
日本ストーマリハビリテーション学会
日本緩和医療学会
日本臨床腫瘍学会
日本外科感染症学会
日本臨床栄養代謝学会
日本ヘリコバクターピロリ学会
氏名 伊豆川 翔太
役職 医長
専門 消化器外科
医師資格 日本外科学会専門医
所属学会 日本外科学会
日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会
日本大腸肛門病学会
日本腹部救急医学会
日本消化器外科学会
氏名 箕輪 和陽
所属学会 日本外科学会
日本消化器外科学会
日本肺癌学会
日本大腸肛門外科学会
氏名 村田 光隆
所属学会 日本外科学会
氏名 末石 結衣
所属学会 日本外科学会
日本気胸・嚢胞性肺疾患学会
日本胸部外科学会
日本呼吸器外科学会

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